鍵盤楽器奏者・武久源造と山川節子の活動記

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help リーダーに追加 RSS 武久氏の楽譜 (その3)

<<   作成日時 : 2008/02/25 00:25   >>

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前回は初版に近いとか、作曲者の意図に近いとか
点字楽譜のほうがより興味深い版であることが多いと
書きました。

さて、それをいよいよ音にする段階のお話しをしましょう。
われわれ目視によって楽譜を読み取っている者は、
たいていの場合、冒頭の拍子・表情記号などに続いて、
最初にオタマジャクシの部分に注目が行くのです。
音楽を仕事にしている者ならば、楽譜の細かな点まで
注意するのがあたりまえではありますが、
見る順番としてはやはり音譜の部分が最初で
それから強弱やスラーやスタッカートや各種の記号など
音楽の表情や感情を表わす部分ということになるでしょう。
そして、多くの場合に「音」を出しながら構成などを確かめて行きます。

一方、点字楽譜ではどうでしょうか。
まず、「音」を出しながら確かめることは困難です。
なにしろ指で読んでいるのですから、
少なくとも片手は演奏できません。
点字は、両手で読める人もいますが
私の知るところでは左手で読んでいる人が多いです。
となると、右手の音は少しずつ拾えても、
左手の音を出しながら読譜することは、難しい。
音だけ右手で出してみたところで、
手の使い方を練習することはできません。

点字楽譜にはいくつかの書き方があるのですが、
各種の記号などやスラーがどこまでかかっているのか
ということは、文字で書かれているので、
音譜を読むと同時にそのような指示も「読む」ことになります。

この点は、私から見るとうらやましいです。
私たちが注意深く譜面を見るとは言っても、
不注意で記号を見落とす場合があります。
ところが、点字楽譜のほうは読んでいるのですから
ほとんど見落としがありません。
ただ、読みながらすごいエネルギーで想像力をフル活動して、
読んだものを組み合わせて行っています。
ですから、読み終わった時点ですでに、
頭の中では構成ができているというわけです。
いざ音に出そうとするときには、出来上がった音楽にしたがって
腕や指が動き出す練習をすればよいのです。

つまり、目視で指を動かしながら読譜すると、
音楽の構築が、第二段階に回されることがあるのに、
点字楽譜で読むと、音楽は完全な形で
すでに創造力によって出来上がっていて
それを指が実現してゆくという順番ですから、
はじめから強い意志で指をコントロールしてゆけるのです。
このことは、武久氏の音楽の力強さの一因と
なっているのかもしれません。

もちろん暗譜しなければ弾きだせないもどかしさはあるにせよ
完全に読んでいれば、音を出し始める段階でほぼ暗譜もできていて
(これは武久氏の長年の努力の賜物かもしれませんが)
目視読譜をしている人間より「音楽」に到達する時間が短いように
思われます。

もう一つの大きな山は、初見演奏です。
それと、私が武久氏と仕事をするときの特徴的なこととして
他の人とでは味わえない想像力の使い方ということがあります。
これは次回、追々に。




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コメント(4件)

内 容 ニックネーム/日時
武久さんの音楽独特の力強さの一因が、
こうしたところにもあったとは。
山川さんしか書けない非常に興味深い記述を
拝読させて頂きました。

うぉーろっく
2008/02/25 09:47
うぉーろっく様
いつも応援ありがとうございます。
夜中につれづれと書くものですから
まとまりのない文章でお恥ずかしいです。
武久氏のすごさや音楽に対する姿勢と、
ささやかながら山川も頑張っていることが
伝えられたらと思って書いています。
これからもどうぞよろしく。
山川
2008/02/26 00:49
つづきも、たのしみにしています!!
ekko
2008/03/03 23:48
ekko様
先日の韓流スキヤキはおいしかったです。
そして、メッセージが来るかと思ったら
コメントを頂けて、なお嬉しいです。
やり方覚えておいてくださいね。
メッセージはカレンダーの下の所を
クリックしてください。
またお店に伺いますのでよろしく。
山川
2008/03/04 01:41

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